「山崎こはねは引退したのか」と検索されるのは、長期欠場でレースから姿を消した時期があり、そのうえ同じ苗字のトップレーサーが実際に引退しているからです。
山崎こはね選手――正しくは山崎小葉音(やまざきこはね)選手は、父も母も実父もボートレーサーという「競艇界のサラブレッド」。群馬支部に所属し、2018年11月に桐生でデビューしました。
結論から言えば、山崎小葉音選手は引退していません。2026年8月現在も出走スケジュールが埋まっており、地元・桐生の準優勝戦にも乗っています。それでも引退説が消えないのは、指のじん帯を切断した長期欠場、結婚、そして父・山崎智也さんの電撃引退という3つの出来事が重なったからです。
この記事を読むとわかること
- 山崎こはね(山崎小葉音)が2026年現在も現役であることの根拠
- 引退の噂が2度立った具体的なきっかけと、本人が語った言葉
- 父・山崎智也が48歳で引退した理由と、家族の複雑な関係
山崎こはねの引退はデマ|2026年も現役で走り続けている
まず事実関係から整理します。山崎小葉音選手について、日本モーターボート競走会からの引退発表は出ていません。それどころか、直近のレース記事や出場予定を見る限り、走る本数は落ちていません。ここでは「現役である根拠」と「引退説が生まれた2つのきっかけ」を順に見ていきます。
2026年8月時点で出場予定がびっしり埋まっている
BOAT RACEオフィシャルウェブサイトの選手データを見ると、山崎小葉音選手の出場予定には次のような節が並んでいます。
- 2026年7月31日〜8月5日:桐生 GⅢオールレディース 第59回日刊スポーツ杯
- 2026年8月12日〜8月17日:大村 オールレディース競走
- 2026年8月24日〜8月29日:三国 ヴィーナスシリーズ第11戦 三国プリンセスカップ
- 2026年9月6日〜9月11日:鳴門 ヴィーナスシリーズ第12戦
引退した選手に翌月・翌々月の斡旋は入りません。この一覧が出ている時点で、引退説は成立しないということになります。
地元・桐生の準優勝戦に2号艇で乗っている
2026年8月4日、スポーツナビは桐生オールレディースについて「群馬支部の今井裕梨と山崎小葉音が準優2号艇で地元優出狙う」と報じました。準優勝戦の2号艇は、その節の成績上位者に与えられる枠です。
また日刊スポーツは同年8月1日、「山崎小葉音(25=群馬)が順調に仕上げてきた」「今節は新ペラ発進となったが、すでに評判の足になっている」と伝えています。新しいプロペラを試しながら整備を詰めているという内容で、引退を控えた選手の動き方ではありません。
引退が囁かれたのは「事故のあと」と「結婚のあと」の2回
では、なぜ引退説が出たのか。整理すると、噂が立ったタイミングは2回に絞られます。
- 2019年、右薬指のじん帯を切断して長期欠場したあと
- 2023年、同じボートレーサーと結婚したあと
どちらも「このまま戻ってこないのでは」と想像させる出来事でした。それぞれ中身を見ていきます。
1度目のきっかけ|右薬指じん帯切断で5か月の長期欠場
2019年6月、平和島でのレースで山崎小葉音選手は右薬指のじん帯を切断する怪我を負いました。ボートレーサーにとって指はハンドルを握る生命線です。この怪我により、およそ5か月間の欠場を余儀なくされました。
デビューから1年に満たない若手が半年近くレースに出てこない――ファンの目には「復活せずにそのまま引退するのではないか」と映り、これが1度目の引退説になりました。実際には復帰し、翌2020年以降は賞金を右肩上がりに伸ばしています。
2度目のきっかけ|2023年10月に前田滉と結婚
2023年10月17日、山崎小葉音選手は同じボートレーサーの前田滉(まえだひろ)選手と結婚しました。前田選手は愛知支部所属で、山崎選手と同じ123期。2023年のトップルーキーに選出された実力者です。
女子ボートレーサーは結婚や出産を機に引退する例が少なくありません。そのため「家庭に入るのでは」という憶測が飛び交い、これが2度目の引退説につながりました。交際の経緯について2人は「自然と付き合うようになった」と語っており、山崎選手は前田選手の人柄を「とにかく優しい」と表現しています。
本人は「相乗効果で高め合いたい」と続行の意思を語っている
結婚後の仕事について、山崎小葉音選手は日刊スポーツのインタビューで次のように答えています。
仕事に関しては情報共有もするし、相乗効果で高め合いたい。私生活の面では支え合っていきたいですね。
日刊スポーツ
専業主婦になるという方向ではなく、レーサー同士だからこそ情報を交換して伸びたい、という趣旨です。引退の意思を示す発言は見当たりません。
「クビ」の噂の正体は級別の話
引退説とセットで「クビになるのでは」という噂も流れました。ボートレースには成績が一定基準を下回ると引退勧告の対象になる制度があるため、級別が話題になりやすいのです。
山崎小葉音選手の級別はB1級。B1はB2の一つ上で、全登録者のなかで中位に位置づけられる級です。勧告の対象になる水準ではなく、獲得賞金は2022年・2023年と2年連続で1000万円を超えています。数字の面から見ても「クビ」の根拠は薄いといえます。
山崎こはねの引退説を大きくした「山崎智也」の存在
引退説がここまで広がったもう一つの理由が、家族です。検索結果で「山崎」「引退」と並ぶ記事の多くは、実は本人ではなく父親のもの。ここでは、山崎小葉音選手を取り巻く家族と、その経歴を確認します。
父・山崎智也は2022年に48歳で電撃引退している
山崎小葉音選手の父親は、「艇界の貴公子」と呼ばれたA1レーサー・山崎智也さんです。SG優勝11回、グランプリ2度制覇、歴代通算獲得賞金でも上位に名を残すトップレーサーでした。
その山崎智也さんが2022年4月12日に引退届を提出し、翌13日に発表。48歳という若さでの決断は「電撃引退」として大きく報じられました。日刊スポーツ・スポーツ報知・BOAT RACE公式が一斉に扱ったため、検索結果には今も「山崎」「引退」の記事が並びます。娘の引退を調べようとして父の記事にたどり着く――この構図が、噂を長生きさせてきました。
父が引退を決めた理由は「勝っても楽しくない」
引退理由について、山崎智也さんは日刊スポーツにこう語っています。
(GPを制した)あの頃はただただ楽しかった。最近は勝っても楽しくない感じがしてた。
日刊スポーツ
BOAT RACE公式のリリースでも「この仕事はずっと楽しみながらやってきたが、最近は勝つことに対して楽しいという気持ちが薄れてきた」と説明されました。背景には2008年頃から抱えていた腰痛があり、A1級の維持が難しくなっていたことも指摘されています。
娘の小葉音も父の引退を知らなかった
スポーツ報知は2022年4月14日、「山崎小葉音も父・智也の電撃引退に驚き」と報じました。家族にも事前に相談がなく、娘にとっても寝耳に水の知らせだったということです。
なお父娘の関係について、山崎小葉音選手はインタビューで「父とはよく口げんかもしますね。プリンスとか貴公子なんかの愛称はウソですよ(笑い)」と話しています。年末には家族で京都へ5泊6日の旅行に出かけたというエピソードもあり、距離の近さがうかがえます。
母は「永世女王」と呼ばれた横西奏恵
母親は、女子最強との呼び声が高かった横西奏恵さんです。76期の養成所チャンプに輝き、女子選手として史上4人目の修了記念競走覇者に。プロ入り後は女子レーサー史上初となる勝率8点オーバーを記録し、G1を3度制しました。この実績から「永世女王」と呼ばれています。
横西さんは2012年12月に引退。つまり山崎小葉音選手の両親は、母・父の順で先に引退している家庭ということになります。母からのアドバイスについて、本人は「仕事に対する心構え的な、気持ちの持ちようというか、的確なアドバイスをくれます」と語っています。
実の父親は佐々木和伸|山崎智也とは養子の関係
家族関係はもう一段複雑です。山崎小葉音選手の実の父親は、徳島支部のボートレーサー・佐々木和伸さん。横西奏恵さんは小葉音選手を出産したのち佐々木さんと離婚し、その後に山崎智也さんと再婚しました。
そのため山崎智也さんから見ると、小葉音選手は養子にあたります。出身地が群馬ではなく徳島県なのも、実父の所属支部と重なる背景です。実父との現在の交流については、公になっている情報がありません。
師匠は群馬支部のエース・椎名豊
山崎小葉音選手の師匠は、SG常連で群馬支部のエースである椎名豊選手です。父・山崎智也さんと師匠が同じだった縁で、指導を引き受けたとされています。
その椎名選手から受けたアドバイスとして、本人が挙げているのが次の言葉です。
勝てない時こそエンジンのせいにするな。エンジンを出せない自分が悪いと思え
日刊スポーツ
この教えを受けて行き足にこだわるようになったと語っており、2026年に「新ペラで順調」と報じられる整備志向にもつながっています。
賞金の推移は引退どころか上昇カーブを描いている
数字でも確認しておきます。デビュー翌年から2023年までの獲得賞金は次の通りです。
| 年 | 獲得賞金 |
|---|---|
| 2019年 | 約266万円 |
| 2020年 | 約696万円 |
| 2021年 | 約887万円 |
| 2022年 | 約1076万円 |
| 2023年 | 約1086万円 |
じん帯を切断して欠場した2019年が最も低く、そこから毎年伸びています。引退を意識する選手の推移ではありません。まだSG・G1での優勝はなく、初優勝が今後の目標として残されている段階です。
まとめ|山崎こはねの引退は起きていない
最後に整理します。
- 山崎こはね(山崎小葉音)選手の引退発表は出ていない。2026年8月以降も大村・三国・鳴門と出場予定が続く現役
- 引退説のきっかけは2つ。2019年の右薬指じん帯切断による約5か月の欠場と、2023年10月の前田滉選手との結婚
- 結婚後も本人は「相乗効果で高め合いたい」と競技続行の意思を語っている
- 噂を大きくしたのは、2022年に48歳で電撃引退した父・山崎智也さんの報道との混同
- 母は「永世女王」横西奏恵さん、実父は佐々木和伸さんで、山崎智也さんとは養子の関係
両親がすでに引退しているぶん、「次は娘も」という連想が働きやすい家庭ではあります。ただ本人は怪我から復帰し、賞金を伸ばし、地元・桐生の準優勝戦に乗るところまで来ました。父も母も届かなかった記録を娘が塗り替える日を、ここから見届ける段階だといえます。


